かではじまる用語
110 語
- 開発経済学かいはつけいざいがく
開発経済学とは、低所得国や途上国の貧困、成長、制度設計を扱う経済学の分野です。なぜ国によって豊かさに差があるのかを問います。教育、保健、インフラ、ガバナンス、貿易条件など多面的な要因を分析します。
- 価格下限かかくかげん
価格下限は、価格が一定水準を下回らないよう定める規制です。均衡価格より高い下限では供給過剰が起き、在庫や非効率が生じえます。最低賃金は労働の価格下限、農産物の支持価格も該当、消費者余剰は減り生産者余剰は増えうるといった側面からも、この概念が研究されています。
- 価格差別かかくさべつ
価格差別は、同じ財でも購入者や購入条件によって異なる価格を設定する販売戦略です。市場力がある企業で可能です。完全価格差別なら消費者余剰を取り尽くします。
- 価格上限かかくじょうげん
価格上限は、政府が価格の上限を定め、それ以上の値上げを禁じる規制です。均衡価格より低い上限を設定すると、需要過多と不足が生じやすいです。消費者には安く見えるが供給が減る、行列・品薄・非価格ルーションを招く、住宅家賃規制が典型例といった側面からも、この概念が研究されています。
- 確証バイアスかくしょうバイアス
確証バイアスとは、自分の信念や仮説を支持する情報ばかり集め、反証を軽視してしまう傾向のことです。意思決定の質を下げる代表的な認知バイアスです。自分に都合のよいニュースだけを見たり共有したりしやすく、SNSのフィルターバブルと相まって強まることもあります。
- 過信かしん
過信は、自分の知識・能力・予測の精度を実際以上に高く信じる傾向です。ダニング=クルーガー効果の一側面です。投資・起業・計画の誤謬を増幅します。
- 寡占かせん
寡占は、少数の大企業が市場を支配し、相互の行動を考慮して価格・数量を決める市場構造です。カルテル、価格競争、数量競争など戦略的相互作用が中心といった側面が挙げられます。完全競争や独占の中間です。
- 価値の保存かちのほぞん
価値の保存とは、貨幣が将来にわたって購買力をある程度保ち、価値を持ち越せる機能のことです。貯蓄や投資の前提にもなります。インフレが進むと購買力は目減りし、デフレ期には現金の実質価値は上がることもあります。
- 活性化拡散かっせいかかくさん
活性化拡散は、記憶ネットワークで一つの概念が活性化すると、関連概念へ活性化が伝わるモデルです。意味記憶の検索、プライミング、連想の説明に使われるといった側面が挙げられます。セマンティックネットワーク、false memoryの連鎖、創造の連想段階といった側面からも、この概念が研究されています。
- カテゴリ化カテゴリか
カテゴリ化は、対象を共通のグループに分類し、効率的に思考・記憶する認知過程です。基本レベルカテゴリ(「犬」)が最も使われやすいです。学習と推論の基盤です。
- 貨幣かへい
貨幣とは、交換、支払、価値の保存、価格の表示といった役割を広く果たす、社会に受け入れられた手段のことです。現金、預金、中央銀行の発行通貨など形態は多様です。物々交換の不便を解消し、取引を簡素化します。
- 貨幣錯覚かへいさっかく
貨幣錯覚は、名目金額で判断し、インフレや実質購買力の変化を十分に考慮しない傾向です。賃金の名目カットは抵抗が強いが、実質賃金の同程度の低下は受け入れられやすい場合があります。労働契約・家賃交渉、名目GDPと実質GDP、インフレ期待の形成といった側面からも、この概念が研究されています。
- 貨幣数量説かへいすうりょうせつ
貨幣数量説は、MV=PY(貨幣量×流通速度=物価×実質GDP)の関係から、貨幣供給と物価が長期的に連動するとする説です。流通速度が安定すれば、貨幣増はインフレにつながります。マネタリズムの理論的支柱です。
- カルテルカルテル
カルテルは、競合企業が価格や生産量について明示的・暗黙的に協調する合意です。消費者余剰を奪い利潤を増やすが、裏切りインセンティブがあり不安定です。多くの国で違法です。
- 為替レートかわせレート
為替レートは、自国通貨と外国通貨の交換比率です。変動相場制・固定相場制など制度により決定方法が異なります。輸出競争力と輸入物価に影響です。
- 感作かんさ
感作は、刺激を繰り返すと反応が強まる学習過程です。痛み、アレルギー、トラウマ想起で見られるといった側面が挙げられます。馴化と逆の適応です。
- 干渉説かんしょうせつ
干渉説は、他の記憶が学習や検索を妨げることで忘却が起きるとする説です。順向干渉(古いが新しいを妨げる)と逆向干渉(新しいが古いを妨げる)です。類似リストの学習、文脈変化で軽減、多重リスト学習の困難といった側面からも、この概念が研究されています。
- 感情かんじょう
感情は、喜び・怒り・恐れ・悲しみなど、主観的体験と生理反応・表現を伴う心理状態です。認知評価、身体反応、行動傾向が絡むといった側面が挙げられます。動機づけや意思決定の中心的な位置づけです。
- 感情知能かんじょうちのう
感情知能は、自分と他者の感情を認識し、調整し、対人関係に活かす能力です。サロウェイとマイヤーが体系化です。リーダーシップ、教育で注目されたといった側面が挙げられます。
- 感情伝染かんじょうでんせん
感情伝染は、他者の感情表現に触れて、自分も同様の感情が引き起こされる現象です。ミラーニューロン、表情模倣などが機序といった側面が挙げられます。集団パニックやムードの拡散です。
- 感情ヒューリスティックかんじょうヒューリスティック
感情ヒューリスティックは、好き嫌いの感情でリスクや利益を直感的に判断する短絡法です。恐怖や好感が確率評価を歪めます。利用可能性ヒューリスティックと相互作用します。
- 完全競争かんぜんきょうそう
完全競争は、多数の売り手・買い手・同質財・自由参入という理想的な市場構造です。個々の企業は価格受け入れ者となり、価格は限界費用に一致します。理論的な比較基準として使われます。
- 外集団がいしゅうだん
外集団は、自分が所属しない他の集団です。外集団同質性効果——「彼らはみんな同じに見える」——が生じやすいです。接触仮説の対象、ステレオタイプの標的、共感の距離といった側面からも、この概念が研究されています。
- 外集団同質性がいしゅうだんどうしつせい
外集団同質性は、外集団のメンバーは互いによく似ていると知覚し、内集団ほど多様性を認めない傾向です。「彼らはみんな同じ」という見方です。ステレオタイプの維持を助けります。
- 外発的動機づけがいはつてきどうきづけ
外発的動機づけは、報酬・評価・罰など活動外の結果から行動が生じる動機です。組織や学校では不可欠です。ただし内発的動機とのバランス設計が必要です。
- 外部性がいぶせい
外部性とは、ある人や企業の行動が、市場を通さずに第三者へ利益や損害をもたらすことです。正の外部性と負の外部性があります。当事者がその影響の費用や利益を自分の判断に十分織り込んでいない点が問題の核心で、市場の失敗の一因とされます。
- 学習的楽観主義がくしゅうてきらっかんしゅぎ
学習的楽観主義は、悲観的な説明スタイルを、より適応的な楽観的スタイルに変えていく訓練・理論です。セリグマンが提唱です。帰属のスタイル(永続性・普遍性・内的)を修正します。
- 機会費用きかいひよう
機会費用とは、ある選択をしたことであきらめた選択肢のうち、最も価値が大きかったもののことです。会計上の支出としては表れませんが、あらゆる選択には必ず伴います。時間や注意力も限られた資源なので、何に使うかで機会費用は変わります。
- 企業家精神きぎょうかせいしん
企業家精神とは、新しい組み合わせを試み、事業のリスクを引き受け、イノベーションを起こす姿勢や能力を指します。生産要素の一つとして議論されます。既存のやり方にとらわれず、市場の隙間を見つけて事業を立ち上げる役割を担います。
- 気質きしつ
気質は、生得的・早期から見られる、感情反応や活動性の個人差です。パーソナリティの生物学的基盤とされます。養育(nurture)と相互作用します。
- 希少性きしょうせい
希少性とは、人々の欲望に対して資源が限られている、という経済学の出発点を表す言葉です。お金も時間も、使い道は無限に近いのに入手できる量には限りがあります。希少性があるからこそ選択が必要になり、機会費用や価格といった考え方が意味を持ちます。
- 希少性効果きしょうせいこうか
希少性効果は、数量や時間が限られていると、対象の主観的価値や購買意欲が高まる現象です。限定販売、締切、在庫わずか表示といった側面が挙げられます。希少性(経済学)とは心理側の効果です。
- 基礎率の無視きそりつのむし
基礎率の無視は、一般的な統計(基礎率)より個別の描写情報を優先して判断する誤りです。代表性ヒューリスティックの帰結です。医療検査の偽陽性解釈でも問題になります。
- 帰属理論きぞくりろん
帰属理論は、他者や自分の行動の原因を、内的要因(性格)か外的要因(状況)かに帰属する心理過程を研究します。ハイダー、ケリー、ワイナーといった側面が挙げられます。基本的帰属の誤りが代表的バイアスです。
- 帰納推論きのうすいろん
帰納推論は、観察された事例から一般法則や仮説を導く推論です。結論は確率的です。科学の発見と日常の予測の基盤です。
- 規範的影響きはんてきえいきょう
規範的影響は、集団に受け入れられたい、排斥されたくないという動機から同調する影響です。アッシュ実験の主要説明に使われます。正しさより関係性です。
- 基本的帰属の誤りきほんてききぞくのあやまり
基本的帰属の誤りは、他者の行動を状況より性格に帰属しすぎる傾向です。自分には行為者-観察者バイアスで状況を見やすいです。文化差(個人主義文化で強い)もです。
- 規模に対する収穫きぼにたいするしゅうかく
規模に対する収穫は、すべての投入を同じ割合増やしたとき、産出がどの割合で増えるかを示す概念です。一定、増加、減少の三つに分類といった側面が挙げられます。長期の企業規模と技術選択に関わります。
- 規模の経済きぼのけいざい
規模の経済は、生産規模が大きくなるほど平均費用が下がる現象です。専門化、大量購買、固定費の分散が要因といった側面が挙げられます。自然独占は極端な規模の経済から生じえます。
- 規模の不経済きぼのふけいざい
規模の不経済は、規模が過度に大きくなると平均費用が上昇する現象です。管理の複雑化、意思決定の遅れ、従業員のモチベーション低下などが原因とされるといった側面が挙げられます。巨大組織の硬直化、最適規模を超えると非効率、規模の経済とのバランスで企業サイズが決まるといった側面からも、この概念が研究されています。