行動経済学
47 語
- IKEA効果IKEAこうか
IKEA効果は、自分で組み立てや作成に関わったものを、客観的には同品質でも高く評価する傾向です。労働の投入が愛着と価値評価を高めります。保有効果、自己効力感と関連といった側面が挙げられます。
- 曖昧性回避あいまいせいかいひ
曖昧性回避は、確率が不明なリスク(曖昧性)を、確率が分かっているリスクより避ける傾向です。エリスベルクの壺問題が典型的な例です。不確実性への嫌悪はリスク回避とは区別されます。
- アンカリングアンカリング
アンカリングとは、最初に提示された数値や情報(アンカー)が、その後の判断を引きずってしまう現象です。価格交渉や見積もり、損害賠償額の推定などで強く働きます。アンカーが無関係に見える数字でも影響することがあり、意識しても完全には消えないことが多いです。
- おとり効果おとりこうか
おとり効果は、明らかに劣った第三の選択肢(おとり)を加えることで、特定の選択肢が魅力的に見える現象です。非対称優越関係を作ります。マーケティングやメニュー設計で使われます。
- 過信かしん
過信は、自分の知識・能力・予測の精度を実際以上に高く信じる傾向です。ダニング=クルーガー効果の一側面です。投資・起業・計画の誤謬を増幅します。
- 貨幣錯覚かへいさっかく
貨幣錯覚は、名目金額で判断し、インフレや実質購買力の変化を十分に考慮しない傾向です。賃金の名目カットは抵抗が強いが、実質賃金の同程度の低下は受け入れられやすい場合があります。労働契約・家賃交渉、名目GDPと実質GDP、インフレ期待の形成といった側面からも、この概念が研究されています。
- 感情ヒューリスティックかんじょうヒューリスティック
感情ヒューリスティックは、好き嫌いの感情でリスクや利益を直感的に判断する短絡法です。恐怖や好感が確率評価を歪めます。利用可能性ヒューリスティックと相互作用します。
- 希少性効果きしょうせいこうか
希少性効果は、数量や時間が限られていると、対象の主観的価値や購買意欲が高まる現象です。限定販売、締切、在庫わずか表示といった側面が挙げられます。希少性(経済学)とは心理側の効果です。
- 基礎率の無視きそりつのむし
基礎率の無視は、一般的な統計(基礎率)より個別の描写情報を優先して判断する誤りです。代表性ヒューリスティックの帰結です。医療検査の偽陽性解釈でも問題になります。
- ギャンブラーの誤謬ギャンブラーのごびゅう
ギャンブラーの誤謬は、独立な試行で過去の結果が続く(または反転する)と誤信する思考です。ルーレットで赤が続いたから次は黒——という誤りです。確率の独立事象の誤解です。
- 群集心理ぐんしゅうしんり
群集心理は、他者の行動や市場の雰囲気に合わせて同じ方向に動く傾向です。情報カスケードや評判効果としてモデル化です。株価バブル、銀行取り付けの説明に使われるといった側面が挙げられます。
- 計画の誤謬けいかくのごびゅう
計画の誤謬は、計画を立てるときに所要時間やコストを系統的に過小見積もる傾向です。内側視点と外側視点の差が生じます。公共事業のコストオーバーランも説明します。
- 顕著性バイアスけんちょせいバイアス
顕著性バイアスは、目立つ・鮮明な情報に注意が偏り、他の重要情報が軽視される傾向です。メディアの画像、極端な事例が判断を支配しうるといった側面が挙げられます。利用可能性と関連です。
- 現在バイアスげんざいバイアス
現在バイアスは、将来の自分より今の自分を過度に優先する傾向です。双曲割引の実証的表現です。貯蓄不足・先延ばし・健康行動の怠慢を説明します。
- 現状維持バイアスげんじょういじバイアス
現状維持バイアスは、変更より現状を維持することを過度に選好する傾向です。デフォルト効果と結びつきます。損失回避・選択の負担が背景にあります。
- 後悔回避こうかいかいひ
後悔回避は、将来後悔しそうな選択を避けるために、現状維持や安全策を取りすぎる傾向です。行動の後悔と不作為の後悔の非対称性もあります。損失回避と親和性が高いです。
- 行動政策学こうどうせいさくがく
行動政策学は、行動経済学の知見を政策・公共サービス設計に応用する分野です。ナッジ・フィールド実験・A/Bテストで介入効果を検証します。税金・健康・教育・環境、エビデンスベース、自由と誘導のバランスといった側面からも、この概念が研究されています。
- 公平性規範こうへいせいきはん
公平性規範は、経済取引においても配分や価格が「公平か」という社会的規範が行動を制約するという考え方です。最後通牒ゲームで拒否が起きるのは公平性の作用です。価格の抵抗(例:暴風雪のシャベル値上げ)も説明します。
- コミットメントデバイスコミットメントデバイス
コミットメントデバイスは、将来の自分が誘惑に負けないよう、事前に縛りを設ける仕組みです。預金ロック、公開宣言、罰金付き目標などといった側面が挙げられます。双曲割引への対処です。
- 互恵性ごけいせい
互恵性は、相手の好意や敵意に応じて、返礼や報復の行動をとる傾向です。信頼ゲームやギフト交換実験で観察です。契約関係や職場の協力の基盤です。
- サンクコストサンクコスト
サンクコストとは、すでに支払ってしまい、もう取り戻すことのできない費用のことです。埋没費用とも呼ばれます。これから続けるかどうかを決めるときは、過去に払った分ではなく、これから得られる効果とこれからかかる負担だけを見るのが合理的です。
- サンクコスト効果サンクコストこうか
サンクコスト効果は、すでに支出した費用が、将来の合理的判断を歪めて継続を促す心理効果です。サンクコストの誤謬の行動面の名称です。損失回避・認知的不協和と重なります。
- 社会的証明しゃかいてきしょうめい
社会的証明は、不確実なときに他者の行動を手がかりに自分の判断を決める傾向です。レビュー、ランキング、「人気No.1」表示が購買に効くといった側面が挙げられます。群集心理と接続です。
- 事前コミットじぜんコミット
事前コミットは、選択が可能なうちに将来の行動を制限し、望ましい結果を得ようとすることです。コミットメントデバイスの理論的側面です。時間的不一貫性への古典的対策です。