ミクロ経済学
64 語
- 価格下限かかくかげん
価格下限は、価格が一定水準を下回らないよう定める規制です。均衡価格より高い下限では供給過剰が起き、在庫や非効率が生じえます。最低賃金は労働の価格下限、農産物の支持価格も該当、消費者余剰は減り生産者余剰は増えうるといった側面からも、この概念が研究されています。
- 価格差別かかくさべつ
価格差別は、同じ財でも購入者や購入条件によって異なる価格を設定する販売戦略です。市場力がある企業で可能です。完全価格差別なら消費者余剰を取り尽くします。
- 価格上限かかくじょうげん
価格上限は、政府が価格の上限を定め、それ以上の値上げを禁じる規制です。均衡価格より低い上限を設定すると、需要過多と不足が生じやすいです。消費者には安く見えるが供給が減る、行列・品薄・非価格ルーションを招く、住宅家賃規制が典型例といった側面からも、この概念が研究されています。
- 寡占かせん
寡占は、少数の大企業が市場を支配し、相互の行動を考慮して価格・数量を決める市場構造です。カルテル、価格競争、数量競争など戦略的相互作用が中心といった側面が挙げられます。完全競争や独占の中間です。
- カルテルカルテル
カルテルは、競合企業が価格や生産量について明示的・暗黙的に協調する合意です。消費者余剰を奪い利潤を増やすが、裏切りインセンティブがあり不安定です。多くの国で違法です。
- 完全競争かんぜんきょうそう
完全競争は、多数の売り手・買い手・同質財・自由参入という理想的な市場構造です。個々の企業は価格受け入れ者となり、価格は限界費用に一致します。理論的な比較基準として使われます。
- 外部性がいぶせい
外部性とは、ある人や企業の行動が、市場を通さずに第三者へ利益や損害をもたらすことです。正の外部性と負の外部性があります。当事者がその影響の費用や利益を自分の判断に十分織り込んでいない点が問題の核心で、市場の失敗の一因とされます。
- 機会費用きかいひよう
機会費用とは、ある選択をしたことであきらめた選択肢のうち、最も価値が大きかったもののことです。会計上の支出としては表れませんが、あらゆる選択には必ず伴います。時間や注意力も限られた資源なので、何に使うかで機会費用は変わります。
- 規模に対する収穫きぼにたいするしゅうかく
規模に対する収穫は、すべての投入を同じ割合増やしたとき、産出がどの割合で増えるかを示す概念です。一定、増加、減少の三つに分類といった側面が挙げられます。長期の企業規模と技術選択に関わります。
- 規模の経済きぼのけいざい
規模の経済は、生産規模が大きくなるほど平均費用が下がる現象です。専門化、大量購買、固定費の分散が要因といった側面が挙げられます。自然独占は極端な規模の経済から生じえます。
- 規模の不経済きぼのふけいざい
規模の不経済は、規模が過度に大きくなると平均費用が上昇する現象です。管理の複雑化、意思決定の遅れ、従業員のモチベーション低下などが原因とされるといった側面が挙げられます。巨大組織の硬直化、最適規模を超えると非効率、規模の経済とのバランスで企業サイズが決まるといった側面からも、この概念が研究されています。
- 供給の法則きょうきゅうのほうそく
供給の法則は、他の条件が同じなら、価格が上がると供給量は増え、下がると減るという傾向です。供給曲線が右上がりになります。生産コストや参入、退出と結びつくといった側面が挙げられます。
- 共有資源きょうゆうしげん
共有資源は、競合性はあるが排除が難しく、過剰利用されやすい資源です。共有地の悲劇の典型的な例です。漁場、森林、地下水などといった側面が挙げられます。
- 共有地の悲劇きょうゆうちのひげき
共有地の悲劇は、共有資源に各自が自己利益を追求すると、全体として資源が枯渇する状況です。ハーディンが命名です。個々は合理的でも集合結果は非効率です。
- ギッフェン財ギッフェンざい
ギッフェン財は、価格が上がると需要が増えるという逆の需要法則を示す(とされる)劣等財の特殊例です。所得効果が代替効果を上回る極端なケースです。歴史的なジャガイモの例がよく引用されるが、実証は難しいです。
- 逆選抜ぎゃくせんばつ
逆選抜は、情報の非対称性により、取引の質の悪い側だけが残り、市場が縮小・消滅する現象です。アカーロフの中古車市場モデルが有名です。保険市場でも高リスク者だけが加入する問題です。
- クールノー競争クールノーきょうそう
クールノー競争は、寡占企業が同時に生産数量を選ぶゲームモデルです。各社は相手の供給を所与に自分の利潤最大化数量を決めります。均衡では完全競争より価格が高いです。
- 顕示選好けんじせんこう
顕示選好は、観察された選択行動から消費者の選好を逆算する分析手法です。サミュエルソンが提唱です。効用関数を直接測らず、実際の購入で選好を示すという考え方です。
- 限界効用げんかいこうよう
限界効用とは、財やサービスをもう一単位だけ追加で消費したときに得られる満足の増加分のことです。総効用とは区別して、追加の一歩に注目します。一般に消費が進むほど限界効用は小さくなっていき、これを限界効用逓減の法則といいます。
- 限界費用げんかいひよう
限界費用は、産出を1単位増やすときに追加でかかる費用です。企業の供給決定の核心です。限界費用が価格と一致する点まで生産するのが利潤最大化の条件(完全競争)です。
- ゲーム理論ゲームりろん
ゲーム理論とは、複数の人や組織が互いの選択に影響し合う状況を、戦略的なやり取りとして分析する理論です。経済学だけでなく政治学や生物学にも応用されています。囚人のジレンマのように、個々が合理的に動いても全体としては望ましくない結果になる構造を説明できます。
- 公共財こうきょうざい
公共財は、非排除性(特定の人から利用を除外しにくい)と非競合性(追加利用者のコストがほぼゼロ)を持つ財です。国防、街灯、基礎研究などといった側面が挙げられます。フリーライダー問題で民間供給が不足しやすいです。
- 交差弾力性こうさだんりょくせい
交差弾力性は、ある財の価格が1%変化したとき、別の財の需要量が何%変化するかを示す指標です。正なら代替関係、負なら補完関係です。企業の競争分析に使われます。
- 効用最大化こうようさいだいか
効用最大化は、消費者が予算の範囲で得られる満足(効用)をできるだけ高くする選択をすることです。限界効用と価格の比率が各財で等しくなるのが条件です。合理的選択モデルの基本です。