たではじまる用語
39 語
- 多元的無知たげんてきむち
多元的無知は、各人が内心は異議を持ちながら、他者が賛成していると誤信し、沈黙が連鎖する状態です。傍観者効果の一因です。実際は多数が反対でも、全員が賛成しているように見えます。
- 短期記憶たんききおく
短期記憶は、情報を短時間(秒〜十数秒)保持する容量限定の記憶です。ワーキングメモリ概念と重なる部分があります。リハーサルなしでは急速に消えます。
- 代替効果だいたいこうか
代替効果は、相対価格の変化により、より安くなった財へ需要がシフトする効果です。所得を一定に保った仮想下で、価格比だけが変わったときの需要変化として分析されます。代替財が多いほど大きい、所得効果と合わせて価格変化の総効果、労働供給の閾値効果とも関連といった側面からも、この概念が研究されています。
- 代替財だいたいざい
代替財は、一方の財の価格が上がると他方の需要が増えるような関係にある財です。交差弾力性が正です。消費者は代替で需要を切り替えます。
- 代表性ヒューリスティックだいひょうせいヒューリスティック
代表性ヒューリスティックは、典型的なプロトタイプに似ているかで確率や所属を判断する短絡法です。リンダ問題(連想の誤謬)の背景です。基礎率を無視しやすいです。
- ダニング=クルーガー効果ダニングクルーガーこうか
ダニング=クルーガー効果は、能力が低いほど自己評価が過大になり、能力が高いほど過小評価しやすい偏りです。メタ認知の欠如が低能力側の過信を説明します。統計的議論もあるが、現象として広く知られます。
- 弾力性だんりょくせい
弾力性とは、ある変数が別の変数の変化に対してどれだけ反応するかを数値で表したものです。価格が少し変わったときに需要が大きく動くかどうかを測る指標としてよく使われます。価格弾力性の絶対値が1より大きい財は弾力的、小さい財は非弾力的といいます。
- 知覚ちかく
知覚は、感覚情報を組織化し、意味のある世界の体験を構成するプロセスです。ボトムアップ(データ駆動)とトップダウン(期待駆動)が相互作用します。錯視・恒常性、ゲシュタルト法則、文化と経験の影響といった側面からも、この概念が研究されています。
- 知能ちのう
知能は、学習・推論・問題解決・環境適応などの総合的な認知能力です。g因子(一般知能)理論と多重知能理論など議論があります。測定は心理測定の中心的な位置づけです。
- チャンキングチャンキング
チャンキングは、複数の要素を意味のあるまとまり(チャンク)に組み合わせ、記憶容量を実効的に増やす技法です。電話番号の3-4-4区切りが典型的な例です。専門家の巨大な短期記憶はチャンクの多さによります。
- 注意ちゅうい
注意は、限られた認知資源を、特定の情報や活動に割り当てる選択的プロセスです。選択的注意、分配的注意、持続的注意などといった側面が挙げられます。マルチタスクの限界はここに由来します。
- 注意瞬目ちゅういしゅんもく
注意瞬目は、短時間に続く2つの目標のうち、1つ目を処理した直後は2つ目を見逃しやすい現象です。注意のリフレactory期です。高速な情報ストリームでの見落としのメカニズムです。
- 注意バイアスちゅういバイアス
注意バイアスは、特定の刺激(脅威・報酬など)に注意が固着し、他の情報処理が阻害される傾向です。不安障害では脅威刺激への注意バイアスが研究されます。行動経済でも目立つ情報への偏重が見られます。
- 中央銀行ちゅうおうぎんこう
中央銀行は、通貨発行・金融政策・銀行システムの安定を担う公的機関です。日本銀行、連邦準備制度などといった側面が挙げられます。独立性が物価安定の信頼を支えるとされます。
- 超過負担の損失ちょうかふたんのそんしつ
超過負担の損失は、市場が効率的な取引量から乖離したときに失われる社会的余剰の部分です。価格上限、独占、外部性などで生じるといった側面が挙げられます。取引が成立しなかった分の便益が消えます。
- 長期記憶ちょうききおく
長期記憶は、情報を長期間保持する記憶システムであり、エピソード・意味・手続きを含みます。短期、ワーキングメモリからエンコードされるといった側面が挙げられます。忘却曲線は長期保持の課題を示します。
- 貯蓄率ちょちくりつ
貯蓄率は、所得のうち貯蓄に回される割合です。家計、企業、政府を合わせた国民貯蓄率も重要といった側面が挙げられます。投資とのバランスが長期成長に関わります。
- 手続き記憶てつづききおく
手続き記憶は、自転車の乗り方やタイピングなど、手順・技能として暗黙的に保持される記憶です。宣言的記憶(エピソード、意味)とは別系統といった側面が挙げられます。練習で自動化されます。
- 天性と養育てんせいとよういく
天性と養育は、行動や能力の個人差が遺伝(天性)と環境(養育)のどちらで説明されるかという問題です。現代は二者の相互作用、表現遺伝学を重視といった側面が挙げられます。単純な比率争いではありません。
- テーパリングテーパリング
テーパリングは、量的緩和で買い入れていた資産の購入ペースを段階的に減らすことです。緩和の出口戦略です。市場は金利上昇期待でボラティリティが高まりえます。
- デフォルト効果デフォルトこうか
デフォルト効果は、提示された初期設定(デフォルト)を変更せずにそのまま受け入れる傾向です。ナッジの中核です。オプトインとオプトアウトで参加率が大きく変わります。
- デフレーションデフレーション
デフレーションとは、物価が持続的に下落していく現象です。インフレーションの反対で、同じ金額でより多く買えるようになる面もあります。しかし将来も安くなると期待されると、消費や投資が先送りされ、景気が冷え込みやすくなります。
- デュオポリーデュオポリー
デュオポリーは、市場を二社だけが供給する寡占の特殊形態です。クールノー・ベルトラン・スタックルバーグなどで戦略的相互作用を分析します。最も単純な寡占モデル、合謀すれば独占に近い利潤、参入で寡占へ移行といった側面からも、この概念が研究されています。
- 投影とうえい
投影は、自分の受け入れがたい感情や特质を、他者に帰属させて認識する防衛機制です。「あいつが嫌いなんだ」と感じる裏で、自分の感情を他者に載せている可能性——という分析枠です。カップリング関係で増幅、偏見の心理機制とも関連、気づきが治療の鍵といった側面からも、この概念が研究されています。
- 等コスト線とうコストせん
等コスト線は、与えた総コストで購入できる生産要素の組み合わせを示す直線です。等産量曲線と接する点がコスト最小の投入組み合わせです。傾きは要素価格比です。
- 等産量曲線とうさんりょうきょくせん
等産量曲線は、同じ産出量を生む投入要素の組み合わせを結んだ曲線です。右下がりで凸型です。限界技術代替率は曲線の傾きです。
- 投資支出とうしししゅつ
投資支出は、設備・建物・在庫など生産資本への支出です。総需要の変動的な要素です。金利、期待、不確実性に敏感といった側面が挙げられます。
- 統制の所在とうせいのしょざい
統制の所在は、人生の結果が自分の努力で決まると感じるか(内的)、外の力に左右されると感じるか(外的)の信念傾向です。ロティの概念です。内的統制感は自己効力感、健康行動と正の相関が多いといった側面が挙げられます。
- 土地とち
土地とは、生産要素としての自然資源や場所を広く指します。農地、鉱物、森林、海岸などが含まれ、厳密には建物を除く地面そのものを指すこともあります。土地は量的に増やせないため、立地や資源の豊かさが価値に大きく影響します。
- トップダウン処理トップダウンしょり
トップダウン処理は、期待・知識・文脈が下位の感覚情報の解釈を上から制御する知覚処理です。「見ることは信じること」の側面です。錯視、読みの誤りに関与といった側面が挙げられます。
- トラウマトラウマ
トラウマは、身体的・心理的な安全を脅かす出来事による、持続的な苦痛や機能障害の状態です。PTSDなどです。個人差が大きく、回復には安全な環境と専門的支援が重要です。
- 取引コストとりひきコスト
取引コストは、個別の市場取引ごとに発生する調整・契約・執行のコストです。transaction-costs(制度・組織レベル)と近いが、ミクロでは1取引あたりのコストとして使われることもあります。交渉や配送手配の費用、内部化か市場取引かの判断材料、コースの定理の前提(取引費用ゼロ)といった側面からも、この概念が研究されています。
- 取引費用とりひきひよう
取引費用とは、取引を成立させ、維持し、変更するためにかかるあらゆるコストのことです。契約交渉、情報収集、執行、紛争解決などが含まれます。コースの定理でも、取引費用がゼロでなければ市場だけでは最適にならない、とされます。
- 動機づけどうきづけ
動機づけは、行動を始め、方向づけ、維持する内的・外的要因の総称です。生理的欲求から社会的目標まで幅広いです。内発的、外発的動機づけの区分が教育、組織で重要といった側面が挙げられます。
- 洞察どうさつ
洞察は、問題の構造を突然理解し、解法が一気に見える認知体験です。コホートの「アハ体験」です。試行錯誤の後に休息で閃くこともあります。
- 同調どうちょう
同調は、集団の規範や多数派の判断に合わせて、自分の態度や行動を変えることです。アッシュの実験では、線の長さという客観的に明らかな課題でも、周囲が誤った答えを示すと本人の判断が曲げられました。周囲の正しさに頼る情報的影響と、仲間外れになりたくない規範的影響の両方が働きます。
- 独占どくせん
独占は、市場に単一の売り手、またはそれに準ずる力を持つ主体が存在し、価格や供給量に大きな影響力を持つ状態です。独占企業は限界収益と限界費用の均衡で量を決め、価格を限界費用より高く設定しやすくなります。その結果、社会的余剰の損失が生じることがあります。
- 独占禁止法どくせんきんしほう
独占禁止法は、私的独占・不当な取引制限・不公正な取引方法を禁止し、競争を維持する法律です。企業結合審査、カルテル取締り、優越的地位の濫用規制などといった側面が挙げられます。国により執行強度は異なります。
- 独占的競争どくせんてききょうそう
独占的競争は、多数の企業が差別化された財を売り、自由参入がある市場構造です。短期では利潤が出るが、長期では参入により利潤はゼロに近づきます。広告やブランドが特徴です。