さではじまる用語
101 語
- 債券利回りさいけんりまわり
債券利回りは、債券価格とクーポンから計算される実質的な収益率です。価格が上がると利回りは下がる(逆関係)です。国債利回りはリスクフリーレートの基準になります。
- 最小集団パラダイムさいしょうしゅうだんパラダイム
最小集団パラダイムは、意味のない最小限のグループ分けでも内集団バイアスが生じることを示す実験デザインです。タジフェルです。ランダムな絵の好みだけで配点が内集団有利に傾きます。
- 再生さいせい
再生は、手がかりなし、または最小限の手がかりで記憶を自ら思い出す検索形式です。再認より難しいが、学習の定着を測るのに有効です。自由想起、順序再生などといった側面が挙げられます。
- 再認さいにん
再認は、提示された刺激が以前経験したものかどうかを判断する検索形式です。再生より容易なことが多いです。多肢選択問題は再認に近いです。
- 再分配さいぶんぱい
再分配とは、市場だけでは望ましい結果にならない所得や富を、税制や社会保障を通じて移し替えることです。公平と効率のバランスが論点になります。累進課税、年金、医療保険、生活保護などが手段です。
- 差別さべつ
差別は、偏見に基づき、特定の集団のメンバーを不公平に扱う行動です。明示的差別と、無意識の差別(構造的・統計的)があります。雇用・住宅・教育、法と啓発、アライシップと制度改正といった側面からも、この概念が研究されています。
- サンクコストサンクコスト
サンクコストとは、すでに支払ってしまい、もう取り戻すことのできない費用のことです。埋没費用とも呼ばれます。これから続けるかどうかを決めるときは、過去に払った分ではなく、これから得られる効果とこれからかかる負担だけを見るのが合理的です。
- サンクコスト効果サンクコストこうか
サンクコスト効果は、すでに支出した費用が、将来の合理的判断を歪めて継続を促す心理効果です。サンクコストの誤謬の行動面の名称です。損失回避・認知的不協和と重なります。
- サンクコストの誤謬サンクコストのごびゅう
サンクコストの誤謬は、回収不能な過去の支出を理由に、合理的でない継続を選んでしまう思考の誤りです。サンクコストは将来の判断から除外すべきという規範に反します。プロスペクト理論の損失回避とも関連です。
- 参入障壁さんにゅうしょうへき
参入障壁は、新規企業が市場に参入するのを難しくする要因です。規制、特許、ブランド、規模の経済、スイッチングコストなどといった側面が挙げられます。既存企業の利潤を守ります。
- 財産権ざいさんけん
財産権とは、物や資源について、使用、収益、処分、譲渡などの権利が誰にあるかを定めた制度です。市場取引の前提となります。権利が明確で保護されていれば、資源の使い方について交渉や取引がしやすくなります。
- 財政赤字ざいせいあかじ
財政赤字は、政府の支出が税収などの歳入を上回る状態です。国債発行で資金調達します。景気刺激か構造的問題かで評価が分かれます。
- 財政政策ざいせいせいさく
財政政策は、政府が税・支出・借金を通じて総需要や所得分配に影響を与える政策です。景気対策では増税減税や公共事業が使われます。財政赤字・国債との関係が常に論点になります。
- シグナリングシグナリング
シグナリングとは、自分のタイプや能力を相手に伝えるための行動のことです。スピーネンスが学歴の役割として整理しました。資格やブランドもシグナルになりえます。
- 市場経済しじょうけいざい
市場経済とは、財やサービスの価格と生産が、主に市場の需給と競争を通じて決まる経済体制です。計画当局が細かく指示する計画経済とは対照的です。企業の自由な参入・退出や、消費者の選択が特徴です。
- 市場の失敗しじょうのしっぱい
市場の失敗は、自由な市場取引だけでは効率的・望ましい資源配分が実現しない状況です。外部性、公共財、情報の非対称性、独占などが典型的原因といった側面が挙げられます。政府介入の理論的根拠となります。
- 市場力しじょうりょく
市場力は、企業が価格や供給量を市場価格から大きく乖離させて設定できる力です。集中度、差別化、参入障壁が源泉といった側面が挙げられます。独占禁止法は市場力の濫用を規制します。
- システム1と2システム1と2
システム1と2は、カーネマンによる二重過程のラベルで、1は速く直感的、2は遅く努力的な思考です。バイアスは主にシステム1のヒューリスティック、修正はシステム2の監視が必要です。認知リフレクション・テスト、疲労でシステム2が弱まる、行動経済学の普及概念といった側面からも、この概念が研究されています。
- 自然失業率しぜんしつぎょうりつ
自然失業率は、景気が潜在水準にあるときに存在する失業率です。摩擦的、構造的失業の合計に相当といった側面が挙げられます。短期では政策で実際の失業率がこれを上下します。
- 自然独占しぜんどくせん
自然独占は、1社が全体を供給する方が平均費用が最小となり、複数社競争が非効率になる産業構造です。送電網、水道、鉄道インフラなどといった側面が挙げられます。規制下独占や公有化が議論されます。
- 舌先現象したさきげんしょう
舌先現象は、知っているはずの語が一時的に思い出せず、しかし取りそうな感覚がある状態です。部分的な検索成功です。音韻情報は近いが語が出ありません。
- 失業しつぎょう
失業は、働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態です。失業率は労働力人口に占める失業者の割合です。摩擦的、構造的、循環的に区分されるといった側面が挙げられます。
- 資本しほん
資本とは、生産に使われる設備、機械、在庫、建物、さらには金融資産など、投資によって蓄積された生産手段を指します。労働や土地と並ぶ生産要素です。資本を増やすことで生産能力は高まりますが、メンテナンスや資金調達のコストもかかります。
- 資本収支しほんしゅうし
資本収支は、資本移動・直接投資・証券投資など金融取引を記録する国際収支の部門です。経常収支と合わせて国際収支全体を構成です。為替レートや金利差に敏感です。
- 社会規範しゃかいきはん
社会規範は、集団内で共有され、遵守が期待される行動ルールです。明示的(法律)と暗黙的(マナー)です。規範的影響は同調の主要因です。
- 社会交換理論しゃかいこうかんりろん
社会交換理論は、対人関係をコストと報酬の交換として理解し、利益最大化を目指すとする理論です。ホマンス、ティバウトといった側面が挙げられます。公平性、相互性も後に組み込まれるといった側面が挙げられます。
- 社会的アイデンティティ理論しゃかいてきアイデンティティりろん
社会的アイデンティティ理論は、自己概念の一部が集団所属から生まれ、内集団の地位向上を動機づけるとする理論です。タジフェルとターナーです。最小集団実験で、ランダム分けでも差別が起きます。
- 社会的証明しゃかいてきしょうめい
社会的証明は、不確実なときに他者の行動を手がかりに自分の判断を決める傾向です。レビュー、ランキング、「人気No.1」表示が購買に効くといった側面が挙げられます。群集心理と接続です。
- 社会的促進しゃかいてきそくしん
社会的促進は、他者がいる(または観察されている)ことで、習熟した課題のパフォーマンスが向上する現象です。ザイオナ効果です。未習熟課題では社会的抑制(妨害)になることもあります。
- 社会的比較しゃかいてきひかく
社会的比較は、自分の意見や能力を、他者と比べて評価する過程です。フェスティンガーです。上向き比較は動機づけ、下向きは安心——両面ありです。
- 社会的抑制しゃかいてきよくせい
社会的抑制は、他者の存在によって、未習熟や複雑な課題のパフォーマンスが低下する現象です。社会的促進の裏側です。評価懸念が認知資源を奪います。
- 社会的ろう惰しゃかいてきろうだ
社会的ろう惰は、集団作業で個人の努力が、単独時より低下する現象です。責任の分散と評価の曖昧さが原因です。個人の貢献が可視化されると改善します。
- 社会認知しゃかいにんち
社会認知は、他者・自己・社会状況についての情報を処理し、判断や行動につなげる研究領域です。帰属、スキーマ、態度、偏見を包含といった側面が挙げられます。認知心理学と社会心理学の交差点です。
- 集団思考しゅうだんしこう
集団思考は、一致を求めるあまり、批判的検討が抑えられ、誤った決定に集団が走る現象です。アービンジャーが提唱です。閉鎖的リーダーシップ、圧力、自己検閲が条件といった側面が挙げられます。
- 昇華しょうか
昇華は、社会的に受け入れにくい衝動を、建設的な活動や創造に方向転換する防衛機制です。成熟した防衛とされます。攻撃性をスポーツに、性的エネルギーを芸術に——といったイメージです。
- 消費関数しょうひかんすう
消費関数は、所得(または可処分所得)と消費支出の関係を表す関数です。ケインズの消費関数は限界消費性向が1未満です。恒久所得仮説など後続理論で拡張です。
- 消費者選択しょうひしゃせんたく
消費者選択は、限られた予算の下で財やサービスをどう組み合わせるかという個人の意思決定です。効用最大化、無差別曲線、予算制約の枠組みで分析されるといった側面が挙げられます。行動経済学はバイアスを加えます。
- 消費者余剰しょうひしゃよじょう
消費者余剰は、消費者が支払う意思のある最大価格と実際の支払価格の差の総和です。需要曲線と市場価格の間の面積として図示されます。価格が下がると消費者余剰は増えます。
- 初頭効果しょとうこうか
初頭効果は、リストの先頭付近の項目が、後続よりよく記憶される現象です。長期記憶への十分な符号化(リハーサル時間)が説明として有力です。新近効果と系列位置効果、面接の第一印象、プレゼンの冒頭設計といった側面からも、この概念が研究されています。
- 所得効果しょとくこうか
所得効果は、価格変化によって消費者の実質購買力(実質所得)が変わり、需要量が変化する効果です。財の価格が下がると実質所得は増え、正常財では需要が増える方向に働きます。スラッキー線の分析で代替効果と分解、劣等財では逆方向もありうる、賃金変化も所得効果を通じて需要に影響といった側面からも、この概念が研究されています。