社会心理学
54 語
- 足場の法則あしばのほうそく
足場の法則は、小さな依頼に応じた後、より大きな依頼にも応じやすくなる説得技法です。一貫性原理です。自己概念へのコミットメントが媒介です。
- アッシュの同調実験アッシュのどうちょうじっけん
アッシュの同調実験は、明らかに正しい線の長さ判断でも、集団が誤答すると被験者が同調する実験です。規範的圧力の力を示しました。少数の同盟者がいると同調は減ります。
- 印象操作いんしょうそうさ
印象操作は、他者から望ましい印象を与えるよう、自己の言動を整える戦略です。ゴッフマンのドラマトゥルギーです。面接、SNS、日常の礼儀も含むといった側面が挙げられます。
- 援助行動えんじょこうどう
援助行動は、困っている他者を助ける具体的な行動です。ラタネとダーレイのモデル——注意、判断、決定の段階といった側面が挙げられます。共感、技能、コストが影響といった側面が挙げられます。
- 感情伝染かんじょうでんせん
感情伝染は、他者の感情表現に触れて、自分も同様の感情が引き起こされる現象です。ミラーニューロン、表情模倣などが機序といった側面が挙げられます。集団パニックやムードの拡散です。
- 外集団がいしゅうだん
外集団は、自分が所属しない他の集団です。外集団同質性効果——「彼らはみんな同じに見える」——が生じやすいです。接触仮説の対象、ステレオタイプの標的、共感の距離といった側面からも、この概念が研究されています。
- 外集団同質性がいしゅうだんどうしつせい
外集団同質性は、外集団のメンバーは互いによく似ていると知覚し、内集団ほど多様性を認めない傾向です。「彼らはみんな同じ」という見方です。ステレオタイプの維持を助けります。
- 帰属理論きぞくりろん
帰属理論は、他者や自分の行動の原因を、内的要因(性格)か外的要因(状況)かに帰属する心理過程を研究します。ハイダー、ケリー、ワイナーといった側面が挙げられます。基本的帰属の誤りが代表的バイアスです。
- 規範的影響きはんてきえいきょう
規範的影響は、集団に受け入れられたい、排斥されたくないという動機から同調する影響です。アッシュ実験の主要説明に使われます。正しさより関係性です。
- 基本的帰属の誤りきほんてききぞくのあやまり
基本的帰属の誤りは、他者の行動を状況より性格に帰属しすぎる傾向です。自分には行為者-観察者バイアスで状況を見やすいです。文化差(個人主義文化で強い)もです。
- 共感きょうかん
共感は、他者の感情や視点を理解し、それに寄り添う能力です。認知的共感と感情的共感です。利他、援助、対人関係の質を高めるといった側面が挙げられます。
- 去個性化きょこせいか
去個性化は、集団や匿名性の中で自己意識が薄れ、通常ならしない行動をとりやすくなる状態です。暴動、オンラインの荒らし、祭りの過剰行動などといった側面が挙げられます。規範の弱化と匿名性です。
- 拒絶の大要請きょぜつのだいようせい
拒絶の大要請は、最初に過大な依頼を出して拒否させ、続く本当の依頼を受け入れやすくする技法です。相互譲歩の知覚です。相手が譲ったと感じます。
- 行為者=観察者バイアスこういしゃかんさつしゃバイアス
行為者=観察者バイアスは、自分の行動は状況に、他者の行動は性格に帰属しやすい非対称です。基本的帰属の誤りと表裏です。視点の違い(自分は状況を知っている)が要因です。
- 攻撃こうげき
攻撃は、他者に危害を与える意図を伴う行動です。殴る・蹴るといった身体的なものや暴言のほか、仲間外れにするなど人間関係を傷つける形も含みます。欲求不満が攻撃に転じるという説明や、周囲の攻撃をまねる社会的学習、大勢の中で個人として意識が薄れる脱個性化など、さまざまな理論で背景が説明されています。
- 向社会的行動こうしゃかいてきこうどう
向社会的行動は、他者の福祉を意図した有益な行動の総称です。援助、共有、協力、寄付などといった側面が挙げられます。共感、規範、モデリングが促進要因といった側面が挙げられます。
- 公正世界信念こうせいせかいしんねん
公正世界信念は、世界は公正で、人はその行いに見合った報いを受けると信じる傾向です。被害者批判(「自業自得」)を生みえます。不安を減らす適応面も指摘されます。
- 公平理論こうへいりろん
公平理論は、関係における投入と成果の比率が等しいと感じるときに満足するという理論です。自分と相手の比率比較です。不公平感は苦痛を生み、行動変化を促します。
- 心の理論こころのりろん
心の理論は、他者が自分と異なる信念・意図・感情を持つことを理解する能力です。幼児期に発達です。自閉スペクトラムでは困難な場合があります。
- 最小集団パラダイムさいしょうしゅうだんパラダイム
最小集団パラダイムは、意味のない最小限のグループ分けでも内集団バイアスが生じることを示す実験デザインです。タジフェルです。ランダムな絵の好みだけで配点が内集団有利に傾きます。
- 差別さべつ
差別は、偏見に基づき、特定の集団のメンバーを不公平に扱う行動です。明示的差別と、無意識の差別(構造的・統計的)があります。雇用・住宅・教育、法と啓発、アライシップと制度改正といった側面からも、この概念が研究されています。
- 社会規範しゃかいきはん
社会規範は、集団内で共有され、遵守が期待される行動ルールです。明示的(法律)と暗黙的(マナー)です。規範的影響は同調の主要因です。
- 社会交換理論しゃかいこうかんりろん
社会交換理論は、対人関係をコストと報酬の交換として理解し、利益最大化を目指すとする理論です。ホマンス、ティバウトといった側面が挙げられます。公平性、相互性も後に組み込まれるといった側面が挙げられます。
- 社会的アイデンティティ理論しゃかいてきアイデンティティりろん
社会的アイデンティティ理論は、自己概念の一部が集団所属から生まれ、内集団の地位向上を動機づけるとする理論です。タジフェルとターナーです。最小集団実験で、ランダム分けでも差別が起きます。