心理学
152 語
- 非人間化ひにんげんか
非人間化は、他者を人間としての完全な尊厳を持つ存在ではなく、物や動物のように扱う認知・言説です。攻撃、差別、戦争犯罪の心理前提といった側面が挙げられます。共感の遮断です。
- ヒューリスティックヒューリスティック
ヒューリスティックは、完全な分析より速く結論に至るための経験則・短絡法です。行動経済学のヒューリスティックと重なります。多くは適応的だが、バイアスも生みます。
- ビッグファイブビッグファイブ
ビッグファイブとは、性格を開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向の五つの因子で捉える特性論です。タイプ分けではなく、連続的な次元として測定します。性格研究で広く使われ、遺伝と環境の両方が各因子に影響します。
- 不安ふあん
不安は、将来の脅威や不確実性に対する持続的な緊張・心配の感情状態です。適度な不安は準備を促すが、過度は回避や身体症状を招きます。なお、これは学習性無力感とは切り分けて考える必要があります。
- 服従ふくじゅう
服従は、権威者の指示に従い、自分の判断より命令を優先する行動です。ミルグラム実験が衝撃的に示しました。制度、制服、責任の分散が従属を増すといった側面が挙げられます。
- 符号化ふごうか
符号化は、経験や情報を記憶システムに登録・変換する初期の認知過程です。注意、意味づけ、整理の深さが、その後の想起のしやすさを決めるといった側面が挙げられます。浅い処理と深い処理、エンコード特異性、学習戦略の核心といった側面からも、この概念が研究されています。
- 不注意盲ふちゅういもう
不注意盲は、注意を他に向けている間、目の前の顕著な刺激を見逃す現象です。ゴリラ実験が代表例です。マルチタスク、歩きスマホの危険性の認知基盤といった側面が挙げられます。
- フローフロー
フローとは、活動に完全に没入し、時間の経過を忘れてしまうような心理状態のことです。チクセントミハイが提唱し、幸福や創造性の研究で重要視されています。挑戦の難しさと自分の能力が釣り合うときに生じやすく、明確な目標とすぐに返ってくるフィードバックも条件になります。
- プライミングプライミング
プライミングは、先行刺激が、後続の反応を無意識的に速めたり偏めたりする現象です。意味的、知覚的、感情プライミングなどといった側面が挙げられます。暗黙記憶の表れです。
- プラシーボ効果プラシーボこうか
プラシーボ効果は、実質的な薬理作用のない介入でも、期待や治療文脈により症状が改善する現象です。臨床試験の対照に不可欠です。信頼関係、儀式、期待がメカニズムの一部といった側面が挙げられます。
- プロトタイププロトタイプ
プロトタイプは、カテゴリの最も典型的な代表例であり、所属判断の基準になる認知構造です。ロッシュの研究です。スパロウは鳥の典型、ペンギンは非典型——帰属の速さが異なります。
- 変化盲へんかもう
変化盲は、画面や場面の大きな変化があっても、注意が向かなければ気づかない現象です。シムンズの実験で有名です。注意の限界と世界の表象の疎さを示します。
- 偏見へんけん
偏見は、根拠の不十分な否定的態度や感情で、特定集団を評価することです。ステレオタイプ(認知)、偏見(感情)、差別(行動)の連鎖といった側面が挙げられます。暗黙連想でも測定、接触・共同目標で減少、制度と文化の影響といった側面からも、この概念が研究されています。
- 防衛機制ぼうえいきせい
防衛機制は、不安や衝動から自我を守るための無意識的な心理的戦略です。抑圧、投影、合理化、昇華などといった側面が挙げられます。短期は保護、長期は問題固定化もです。
- 傍観者効果ぼうかんしゃこうか
傍観者効果とは、周囲に人が多いほど、困っている人への援助行動が起こりにくくなる現象です。責任の分散と状況判断のあいまさが一因とされます。「誰かがやるだろう」という心理が働きやすく、目撃者が増えるほど個人の責任感は薄まります。
- 忘却曲線ぼうきゃくきょくせん
忘却曲線は、エビングハウスが示した、時間経過とともに記憶が指数関数的に減衰する関係です。分散学習(間隔を空ける)が保持を改善する理論的根拠です。初期の急激な忘却、復習で曲線をフラット化、意味のある材料は保持が長いといった側面からも、この概念が研究されています。
- ボトムアップ処理ボトムアップしょり
ボトムアップ処理は、感覚データそのものの特徴(エッジ・色・運動)から知覚が組み立てられる処理です。トップダウンと併用されます。データ駆動の分析です。
- ポジティブ心理学ポジティブしんりがく
ポジティブ心理学は、病態より幸福・強み・意味・レジリエンスなど人の良い側面を科学的研究する運動です。セリグマンらが1990年代に推進です。主観的幸福、フロー、感謝の実践などといった側面が挙げられます。
- マインドフルネスマインドフルネス
マインドフルネスは、今この瞬間の体験を、判断を抑えて注意深く観察する状態・練習です。ストレス低減、感情調整のプログラム(MBSR等)として普及といった側面が挙げられます。注意のトレーニング、反すうの減少、臨床エビデンスが蓄積といった側面からも、この概念が研究されています。
- マズローの欲求段階マズローのよっきゅうだんかい
マズローの欲求段階とは、人間の欲求を生理的欲求、安全、社会的欲求、承認欲求、自己実現の五段階で捉えるモデルです。動機づけを直感的に整理する枠組みとして広く知られています。低次の欲求が満たされると高次を求める、と説明されますが、段階が必ず一方向にだけ進むわけではなく、文化や状況で優先順位は変わります。
- 満足化まんぞくか
満足化は、最適解ではなく、「十分良い」解で意思決定を打ち切る戦略です。サイモンの限定合理性です。探索コストを抑え、現実的な選択を可能にします。
- ミルグラム実験ミルグラムじっけん
ミルグラム実験は、権威者の指示で、見知らぬ人への電気ショックを増強しうるかを調べた社会心理学の実験です。予想以上に多くの参加者が高電圧まで従ったです。服従と状況の力を示しました。
- 明示的記憶めいじてききおく
明示的記憶は、意識的に「思い出す」ことを伴う宣言的記憶です。エピソード記憶と意味記憶を含みます。海馬依存の想起、再認といった側面が挙げられます。
- メタ認知メタにんち
メタ認知は、自分の認知過程(思考・記憶・理解)についての知識と監視・制御です。「分かったつもり」かどうかの校正です。学習効率の鍵です。