経済学
210 語
- 乗数効果じょうすうこうか
乗数効果は、政府支出や投資の増加が、所得・消費の連鎖を通じて最初のショックより大きなGDP増に波及する効果です。限界消費性向が高いほど乗数は大きいです。財政政策の効き目の理論的根拠です。
- 人的資本じんてきしほん
人的資本とは、教育、訓練、健康、経験によって人に蓄積された技能や知識のことです。労働の質を高め、将来の所得や生産性に影響します。学校への投資や企業研修は、人的資本への投資とみなされます。
- スクリーニングスクリーニング
スクリーニングとは、相手のタイプや能力を見分けるために、情報を集めたり試したりする側の行動です。シグナリングと表裏の関係にあります。企業が試験や面接、インターンシップで応募者を選別するのが典型です。
- スタグフレーションスタグフレーション
スタグフレーションは、景気停滞(スタグネーション)とインフレが同時に起きる状態です。1970年代オイルショック後に注目です。総需要政策だけでは対処が難しいです。
- 制御の錯覚せいぎょのさっかく
制御の錯覚は、実際には制御できない事象についても、自分に影響力があると感じる傾向です。ギャンブルや投資で「自分のやり方」に意味を見出します。過信と結びつきます。
- 生産可能性境界せいさんかのうせいきょうかい
生産可能性境界は、与えられた資源・技術の下で生産できる財の組み合わせの上限を示す曲線です。境界上は効率的、内側は余裕あり、外側は現時点では不可能です。機会費用は境界の傾きで読めります。
- 生産者余剰せいさんしゃよじょう
生産者余剰は、売り手が受け入れる最低価格と実際の受取価格の差の総和です。供給曲線と市場価格の間の面積で表されます。価格上昇で増え、コスト低下でも増えます。
- 生産性せいさんせい
生産性とは、投入した労働や資本に対して、どれだけの産出が得られるかを表す概念です。同じ時間でもより多く、より良いものを作れるかどうかの尺度です。技術、技能、組織の仕組み、設備の質が生産性を左右します。
- 生産要素せいさんようそ
生産要素とは、財やサービスを生み出すために投入される資源の総称です。古典的には土地、労働、資本に加え、企業家精神が挙げられます。どの要素が不足しているかで、成長のボトルネックは変わります。
- 正常財せいじょうざい
正常財は、所得が増えると需要が増える財です。大多数の財は正常財です。所得弾力性が正です。
- 制度経済学せいどけいざいがく
制度経済学とは、法律、規範、組織、財産権といった制度が経済の成り行きにどう影響するかを重視する経済学の流れです。市場だけでは説明しきれない部分に目を向けます。取引費用や契約の不完全性、権力関係も分析対象になります。
- 潜在GDPせんざいGDP
潜在GDPは、既存の資本・労働・技術をフル活用したときのGDP水準です。実質GDPとのギャップが景気の過熱、冷え込みを示すといった側面が挙げられます。長期成長トレンドの基準です。
- 選択アーキテクチャせんたくアーキテクチャ
選択アーキテクチャは、選択肢の提示順・デフォルト・情報の見せ方など、意思決定の環境を設計することです。ナッジの実装枠組みです。自由は残しつつ行動を形作ります。
- 選択過多せんたくかた
選択過多は、選択肢が多すぎると決定が遅れたり、満足度が下がったりする現象です。ジャムの実験で有名です。認知負荷と機会費用が増えます。
- 専門化せんもんか
専門化とは、個人・企業・地域が特定の分野に特化し、生産や学習をそこに集中させることです。分業と表裏一体の関係にあります。得意分野に集中すると生産性が上がり、比較優位を通じて貿易の利益にもつながります。
- 総供給そうきょうきゅう
総供給は、経済全体で提供される財・サービスの量です。短期では価格・賃金の硬直性があり需要に応じて変動、長期では潜在GDP近くに収束する見方があります。供給ショックで曲線がシフト、スタグフレーションの説明、成長は供給能力の拡大といった側面からも、この概念が研究されています。
- 双曲割引そうきょくわりびき
双曲割引は、将来の報酬を割り引く率が時間軸に応じて一貫せず、近い将来ほど急に割り引くモデルです。今日と明日の差は大きいが、1年後と1年1日後の差は小さいです。先送りと自制の問題を説明します。
- 総需要そうじゅよう
総需要は、経済全体の財・サービスに対する需要の総和です。消費、投資、政府支出、純輸出で構成(Y=C+I+G+NX)といった側面が挙げられます。景気変動の短期的な主役です。
- 創造的破壊そうぞうてきはかい
創造的破壊とは、新しい技術や仕組みが古い産業や職を淘汰しながら、同時に新たな成長を生み出す過程を指す概念です。シュンペーターが強調しました。効率の低いやり方が消える一方で、新しい仕事や市場が生まれます。
- 損失回避そんしつかいひ
損失回避は、同じ大きさの利益より損失をより重く感じる傾向です。プロスペクト理論の価値関数の特徴です。リスク回避行動や現状維持バイアスを説明します。
- 代替効果だいたいこうか
代替効果は、相対価格の変化により、より安くなった財へ需要がシフトする効果です。所得を一定に保った仮想下で、価格比だけが変わったときの需要変化として分析されます。代替財が多いほど大きい、所得効果と合わせて価格変化の総効果、労働供給の閾値効果とも関連といった側面からも、この概念が研究されています。
- 代替財だいたいざい
代替財は、一方の財の価格が上がると他方の需要が増えるような関係にある財です。交差弾力性が正です。消費者は代替で需要を切り替えます。
- 代表性ヒューリスティックだいひょうせいヒューリスティック
代表性ヒューリスティックは、典型的なプロトタイプに似ているかで確率や所属を判断する短絡法です。リンダ問題(連想の誤謬)の背景です。基礎率を無視しやすいです。
- 弾力性だんりょくせい
弾力性とは、ある変数が別の変数の変化に対してどれだけ反応するかを数値で表したものです。価格が少し変わったときに需要が大きく動くかどうかを測る指標としてよく使われます。価格弾力性の絶対値が1より大きい財は弾力的、小さい財は非弾力的といいます。