経済学
210 語
- 外部性がいぶせい
外部性とは、ある人や企業の行動が、市場を通さずに第三者へ利益や損害をもたらすことです。正の外部性と負の外部性があります。当事者がその影響の費用や利益を自分の判断に十分織り込んでいない点が問題の核心で、市場の失敗の一因とされます。
- 機会費用きかいひよう
機会費用とは、ある選択をしたことであきらめた選択肢のうち、最も価値が大きかったもののことです。会計上の支出としては表れませんが、あらゆる選択には必ず伴います。時間や注意力も限られた資源なので、何に使うかで機会費用は変わります。
- 企業家精神きぎょうかせいしん
企業家精神とは、新しい組み合わせを試み、事業のリスクを引き受け、イノベーションを起こす姿勢や能力を指します。生産要素の一つとして議論されます。既存のやり方にとらわれず、市場の隙間を見つけて事業を立ち上げる役割を担います。
- 希少性きしょうせい
希少性とは、人々の欲望に対して資源が限られている、という経済学の出発点を表す言葉です。お金も時間も、使い道は無限に近いのに入手できる量には限りがあります。希少性があるからこそ選択が必要になり、機会費用や価格といった考え方が意味を持ちます。
- 希少性効果きしょうせいこうか
希少性効果は、数量や時間が限られていると、対象の主観的価値や購買意欲が高まる現象です。限定販売、締切、在庫わずか表示といった側面が挙げられます。希少性(経済学)とは心理側の効果です。
- 基礎率の無視きそりつのむし
基礎率の無視は、一般的な統計(基礎率)より個別の描写情報を優先して判断する誤りです。代表性ヒューリスティックの帰結です。医療検査の偽陽性解釈でも問題になります。
- 規模に対する収穫きぼにたいするしゅうかく
規模に対する収穫は、すべての投入を同じ割合増やしたとき、産出がどの割合で増えるかを示す概念です。一定、増加、減少の三つに分類といった側面が挙げられます。長期の企業規模と技術選択に関わります。
- 規模の経済きぼのけいざい
規模の経済は、生産規模が大きくなるほど平均費用が下がる現象です。専門化、大量購買、固定費の分散が要因といった側面が挙げられます。自然独占は極端な規模の経済から生じえます。
- 規模の不経済きぼのふけいざい
規模の不経済は、規模が過度に大きくなると平均費用が上昇する現象です。管理の複雑化、意思決定の遅れ、従業員のモチベーション低下などが原因とされるといった側面が挙げられます。巨大組織の硬直化、最適規模を超えると非効率、規模の経済とのバランスで企業サイズが決まるといった側面からも、この概念が研究されています。
- 供給学派きょうきゅうがくは
供給学派は、減税や規制緩和で供給能力・労働インセンティブを高め、成長と税収を増やすべきだとする政策思想です。ラッファーカーブで税率と税収の関係を強調です。需要管理への対抗として1980年代に注目です。
- 供給の法則きょうきゅうのほうそく
供給の法則は、他の条件が同じなら、価格が上がると供給量は増え、下がると減るという傾向です。供給曲線が右上がりになります。生産コストや参入、退出と結びつくといった側面が挙げられます。
- 共有資源きょうゆうしげん
共有資源は、競合性はあるが排除が難しく、過剰利用されやすい資源です。共有地の悲劇の典型的な例です。漁場、森林、地下水などといった側面が挙げられます。
- 共有地の悲劇きょうゆうちのひげき
共有地の悲劇は、共有資源に各自が自己利益を追求すると、全体として資源が枯渇する状況です。ハーディンが命名です。個々は合理的でも集合結果は非効率です。
- 金融政策きんゆうせいさく
金融政策は、中央銀行が金利・通貨供給・金融環境を調整して物価・景気を安定させる政策です。政策金利、公開市場操作、準備率、量的緩和などが手段といった側面が挙げられます。インフレ目標が明示される国も多いです。
- 金利きんり
金利は、資金の貸し借りの対価として支払われる利率です。名目金利と実質金利(インフレ調整後)を区別します。投資・消費・為替に広く影響します。
- ギッフェン財ギッフェンざい
ギッフェン財は、価格が上がると需要が増えるという逆の需要法則を示す(とされる)劣等財の特殊例です。所得効果が代替効果を上回る極端なケースです。歴史的なジャガイモの例がよく引用されるが、実証は難しいです。
- 逆進課税ぎゃくしんかぜい
逆進課税は、所得が低いほど負担率が相対的に高くなる税制です。消費税など定率税は必需品支出の割合が大きい低所得者に重くのしかかりやすいです。公平性の議論、補助金・給付で相殺する政策、累進課税と対比といった側面からも、この概念が研究されています。
- 逆選抜ぎゃくせんばつ
逆選抜は、情報の非対称性により、取引の質の悪い側だけが残り、市場が縮小・消滅する現象です。アカーロフの中古車市場モデルが有名です。保険市場でも高リスク者だけが加入する問題です。
- ギャンブラーの誤謬ギャンブラーのごびゅう
ギャンブラーの誤謬は、独立な試行で過去の結果が続く(または反転する)と誤信する思考です。ルーレットで赤が続いたから次は黒——という誤りです。確率の独立事象の誤解です。
- クラウディングアウトクラウディングアウト
クラウディングアウトは、政府が資金調達や支出を増やすことで、民間投資や消費が押し出される現象です。金利上昇や資源の競合が経路です。財政拡張の効果を弱める要因として議論されます。
- クールノー競争クールノーきょうそう
クールノー競争は、寡占企業が同時に生産数量を選ぶゲームモデルです。各社は相手の供給を所与に自分の利潤最大化数量を決めります。均衡では完全競争より価格が高いです。
- 群集心理ぐんしゅうしんり
群集心理は、他者の行動や市場の雰囲気に合わせて同じ方向に動く傾向です。情報カスケードや評判効果としてモデル化です。株価バブル、銀行取り付けの説明に使われるといった側面が挙げられます。
- 計画経済けいかくけいざい
計画経済とは、政府や計画当局が生産目標、価格、配分を中心的に決める経済体制です。旧ソ連型の経済が典型例として知られています。大規模なインフラや短期の動員には力を発揮しうる一方、需要の変化への柔軟性やイノベーションのインセンティブが弱くなりやすい、と批判されます。
- 計画の誤謬けいかくのごびゅう
計画の誤謬は、計画を立てるときに所要時間やコストを系統的に過小見積もる傾向です。内側視点と外側視点の差が生じます。公共事業のコストオーバーランも説明します。