認知心理学
56 語
- 閃光記憶せんこうきおく
閃光記憶は、衝撃的な出来事を、いつどこで聞いたかという文脈とともに鮮明に覚えていると感じる記憶です。9/11や大地震などです。鮮明さと正確性は一致しないことが後の研究で示されました。
- 選択的注意せんたくてきちゅうい
選択的注意は、多数の刺激の中から、関連するものだけを選び取り、他を抑制する注意の働きです。カクテルパーティ効果——名前言及だけ聞こえる——が例です。フィルタリングとゲート、感情・動機が選択を偏らせる、ADHDは調節の困難といった側面からも、この概念が研究されています。
- 創造性そうぞうせい
創造性は、新しく有用なアイデア・作品・解決を生み出す能力です。発散思考と収束思考、ドメイン知識、動機づけが関わります。個人差と状況要因です。
- ソースモニタリングソースモニタリング
ソースモニタリングは、記憶の内容がどこから来たか(自分の経験・想像・他人の話)を判断する能力です。失敗すると偽記憶や誤情報効果が起きます。現実監視、メディアリテラシー、子どもの記憶発達といった側面からも、この概念が研究されています。
- 短期記憶たんききおく
短期記憶は、情報を短時間(秒〜十数秒)保持する容量限定の記憶です。ワーキングメモリ概念と重なる部分があります。リハーサルなしでは急速に消えます。
- ダニング=クルーガー効果ダニングクルーガーこうか
ダニング=クルーガー効果は、能力が低いほど自己評価が過大になり、能力が高いほど過小評価しやすい偏りです。メタ認知の欠如が低能力側の過信を説明します。統計的議論もあるが、現象として広く知られます。
- 知覚ちかく
知覚は、感覚情報を組織化し、意味のある世界の体験を構成するプロセスです。ボトムアップ(データ駆動)とトップダウン(期待駆動)が相互作用します。錯視・恒常性、ゲシュタルト法則、文化と経験の影響といった側面からも、この概念が研究されています。
- チャンキングチャンキング
チャンキングは、複数の要素を意味のあるまとまり(チャンク)に組み合わせ、記憶容量を実効的に増やす技法です。電話番号の3-4-4区切りが典型的な例です。専門家の巨大な短期記憶はチャンクの多さによります。
- 注意ちゅうい
注意は、限られた認知資源を、特定の情報や活動に割り当てる選択的プロセスです。選択的注意、分配的注意、持続的注意などといった側面が挙げられます。マルチタスクの限界はここに由来します。
- 注意瞬目ちゅういしゅんもく
注意瞬目は、短時間に続く2つの目標のうち、1つ目を処理した直後は2つ目を見逃しやすい現象です。注意のリフレactory期です。高速な情報ストリームでの見落としのメカニズムです。
- 長期記憶ちょうききおく
長期記憶は、情報を長期間保持する記憶システムであり、エピソード・意味・手続きを含みます。短期、ワーキングメモリからエンコードされるといった側面が挙げられます。忘却曲線は長期保持の課題を示します。
- 手続き記憶てつづききおく
手続き記憶は、自転車の乗り方やタイピングなど、手順・技能として暗黙的に保持される記憶です。宣言的記憶(エピソード、意味)とは別系統といった側面が挙げられます。練習で自動化されます。
- トップダウン処理トップダウンしょり
トップダウン処理は、期待・知識・文脈が下位の感覚情報の解釈を上から制御する知覚処理です。「見ることは信じること」の側面です。錯視、読みの誤りに関与といった側面が挙げられます。
- 洞察どうさつ
洞察は、問題の構造を突然理解し、解法が一気に見える認知体験です。コホートの「アハ体験」です。試行錯誤の後に休息で閃くこともあります。
- 二重過程理論にじゅうかていりろん
二重過程理論は、思考に速い自動的系と遅い分析的系の二つが関わるとする理論枠組みです。システム1/2としても知られます。直感と熟慮の使い分けです。
- 認知地図にんちちず
認知地図は、環境の空間構造について心の中に構築した内部的な地図です。トールマンのラット実験が起源です。ナビなしでも経路を記憶できます。
- 認知的不協和にんちてきふきょうわ
認知的不協和とは、自分の中に矛盾する信念や態度、行動が並び立ったときに感じる不快感のことです。フェスティンガーが提唱した社会心理学の古典的概念です。この不快を減らすため、人は態度や解釈をあとから変えたり、選択を正当化したりしやすくなります。
- 認知負荷にんちふか
認知負荷は、作業記憶にかかる精神的負担の量です。内在的(課題の難しさ)、外在的(提示の仕方)、関連的(学習に有効な負荷)に区分といった側面が挙げられます。UI・教材設計、マルチタスクの限界、チャンキングで軽減といった側面からも、この概念が研究されています。
- ヒューリスティックヒューリスティック
ヒューリスティックは、完全な分析より速く結論に至るための経験則・短絡法です。行動経済学のヒューリスティックと重なります。多くは適応的だが、バイアスも生みます。
- 符号化ふごうか
符号化は、経験や情報を記憶システムに登録・変換する初期の認知過程です。注意、意味づけ、整理の深さが、その後の想起のしやすさを決めるといった側面が挙げられます。浅い処理と深い処理、エンコード特異性、学習戦略の核心といった側面からも、この概念が研究されています。
- 不注意盲ふちゅういもう
不注意盲は、注意を他に向けている間、目の前の顕著な刺激を見逃す現象です。ゴリラ実験が代表例です。マルチタスク、歩きスマホの危険性の認知基盤といった側面が挙げられます。
- プライミングプライミング
プライミングは、先行刺激が、後続の反応を無意識的に速めたり偏めたりする現象です。意味的、知覚的、感情プライミングなどといった側面が挙げられます。暗黙記憶の表れです。
- プロトタイププロトタイプ
プロトタイプは、カテゴリの最も典型的な代表例であり、所属判断の基準になる認知構造です。ロッシュの研究です。スパロウは鳥の典型、ペンギンは非典型——帰属の速さが異なります。
- 変化盲へんかもう
変化盲は、画面や場面の大きな変化があっても、注意が向かなければ気づかない現象です。シムンズの実験で有名です。注意の限界と世界の表象の疎さを示します。